食事をするイエメンの女の子

国連WFP協会 年次報告書2021

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© WFP/Hebatallah Munassar

イエメン アデンで学校給食支援を受けるアスラールちゃん。豆やチーズ、野菜の入ったサンドイッチ、果物を笑顔で食べます。

ひどい干ばつに襲われたマダガスカル南部

2021年、
43ヵ国4,500万人が
飢きんの瀬戸際にいました。

2021年11月、国連WFPは世界が深刻な事態になっていることを警告しました。
気候変動や新型コロナウイルス感染症拡大、価格の高騰に加え、世界中で発生している紛争が飢きんの新潮流を引き起こし、その犠牲はかつてないほどに悲惨な状態になっています。

そもそも“飢きん”とは

  • 20%以上の
    家庭が極端な
    食料不足
  • 30%以上の
    子どもが
    急性栄養不良
  • 毎日1万人に
    2人以上が
    飢餓や栄養不良に
    関連して死亡

寄付金実績

2021年は多くの寄付をいただき、
過去最高額を届けました。

寄付金実績のグラフ
  • 国連WFP協会への寄付金総額の内訳

    国連WFP協会への寄付金総額の内訳のグラフ

    2021年度、国連WFP協会に寄せられた企業・団体、個人の皆様からのご寄付は過去最高の約20.6億円となりました。国連WFPの世界の民間支援部門からの寄付総額2億500万米ドル(約256億円、125円/1米ドル換算)のうち、当協会からの寄付額は世界第1位となりました。

  • WFP国連世界食糧計画への送金額の内訳

    WFP国連世界食糧計画への送金額の内訳のグラフ

    国連WFP協会が日本の皆様からお預かりし、WFP国連世界食糧計画に送金した寄付額は約15.5億円となりました。そのうちの約7.5億円は、“誰も取り残さない”という方針のもと「使途指定なし」として送金し、国連WFPが最も資金を必要とする支援活動に活用させていただきました。

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Highlights 2021

飢きんの瀬戸際から救うために、
私たちは世界中で支援の光を灯しています。

  • 食事をするミャンマーの親子 ©WFP/Naing Linn Shwe
    ミャンマー 2月

    クーデター後に増え続ける
    避難民への支援を拡大

    ミャンマーの地図
    食事をするミャンマーの親子 ©WFP/Naing Linn Shwe

    クーデターの影響による失業や食料・燃料価格の高騰、政情不安、暴力、避難に加え、新型コロナウイルス感染症の急拡大がミャンマーの人びとをより苦しませています。国連WFPは、6万3,015トンの食料と2,720万米ドルの現金支援を、前年の約3倍にあたる290万の人びとの手に直接届けました。さらに、紛争によって2月1日から年末までにミャンマー国内で約32万900人が避難し、ラカイン、カチン、シャン、チン、カインの各州で37万人が避難しているのに対し、2021年を通じて約30万人の国内避難民を支援しました。

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  • 国連人道支援航空サービス(UNHAS)は、支援物資や人道支援職員を輸送します。 © WFP/Photolibrary
    アフガニスタン 9月

    タリバンによる首都掌握後、
    早期に人道支援のフライトを再開

    アフガニスタンの地図
    国連人道支援航空サービス(UNHAS)は、支援物資や人道支援職員を輸送します。 © WFP/Photolibrary

    タリバンがアフガニスタンの首都を掌握したことを受けて、国連WFPが主導する国連人道支援航空サービス(UNHAS)はカブールへの人道支援航空を再開。イスラマバード、ドーハ、ドゥシャンベ、カブール、その他国内の21の州を結ぶ重要な航空路を提供しており、160以上の団体に代わって4,000人以上を742回のフライトで移動させました。また、12月までに支援した人数は1,500万人と大幅に増加しました。国内のパートナーと協力し、全国34の全ての州で支援の必要な人びとの手に直接支援を届けています。

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  • ひどい干ばつに見舞われるマダガスカル南部の人びと © WFP/SITRAKA NIAINA RAHARINAIVO
    マダガスカル 10月

    深刻な干ばつの中で
    子どもたちの栄養不良を治療

    マダガスカルの地図
    ひどい干ばつに見舞われるマダガスカル南部の人びと © WFP/SITRAKA NIAINA RAHARINAIVO

    ひどい干ばつに見舞われているマダガスカル南部では何千人もの人びとが食料を求めて移住しなければならず、残った人びとは野生の食料を探すなど、生き延びるために極端な手段をとっています。国連WFPは、一般的な食料配給に加え、栄養補助食品を通じて毎月約70万人を支援。さらに2021年11月までに、南部で最も被害の大きかった6地区で5歳未満の子どもたち11万1,500人以上に栄養不良の治療を実施しました。国連WFPの支援によって2021年5月以降、栄養不良率は約12%から7.5%に低下しました。

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  • コロナ主因による
    「飢餓状況の劇的悪化」を報告

    国連WFPなどによる報告書「世界の食料安全 保障と栄養の現状」(※)は、新型コロナウイル スの流行が主な原因となって世界の飢餓状況 が劇的に悪化したと発表。2020年は世界人口 の10人に1人にあたる最大8億1,100万人が 飢餓に苦しんだと推定されており、2030年ま での目標「飢餓をゼロにする」を達成するには 多大な努力が必要であることを示しています。
    ※この報告書は毎年、前年の飢餓人口を発表します。

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  • COP26で「食料システムの変革」の必要性を提言

    11月に開催された国連気候変動サミット「COP26」で、国連WFPは「私たちの食料システムが地球を壊し、気候危機が私たちの食料システムを壊している。適切に食料システムの変革が進めば気候変動対策を加速させることができる。世界で直面しているリスクや問題、またその解決策もグローバル化しており、相互に関連している」と警鐘を鳴らしました。

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資金が不足しています

2021年国連WFPは96億米ドルの資金を調達することができました。しかし、これは必要とされた額148億米ドルに対し、52億米ドル不足しています。この資金不足により、国連WFPの現地職員は支援対象者の選択や支援量の削減など、苦渋の決断を迫られています。

2021年不足額52億米ドル/調達額96億米ドル/必要額148億米ドル
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